2004.05.20
RIAA回答書の私訳
日本レコード協会(RIAJ)が5月18日付で「洋楽輸入盤に関するRIAAの考え方について」と題して公表した全米レコード協会担当者からの回答書の私訳を作成してみた。
RIAJによる邦訳では何故か省略されている"by legitimate companies"の訳も含めて。
この文書に示された考え方によれば、正規の企業(恐らく、輸入部門を持っている5メジャーの日本における子会社)以外の者がメジャーの許諾なく行う輸入(すなわち、並行輸入)は止められる可能性が極めて高い、ということになるだろう。
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日本レコード協会 常務理事
生野秀年様
拝啓 生野様:
2004年5月12日付の質問を受領致しました。次のとおりご回答申し上げます。
1. 文化庁に提出されたRIAA/IFPIの共同による意見にあるように、我々はレコードの輸入をコントロールする権利の導入を強く支持しており、かつ、かかる権利は内国民待遇の原則に基礎を置くべきものであると信じております。我々は、日本政府が無許諾の輸入をコントロールするそれら重要な権利を採用すること、および、非差別的な方法でそれを行うことを期待しております。かかる権利は日本の市場に海賊版の輸入に対する保護を与え、かつ、発展途上にある市場(less developed markets)に対するアグレッシブな価格付けを可能とするでしょう(また、それによって、かかる市場における海賊行為への取り組みへの間接的な力添えともなります)。私たちは、日本政府が差別的なプラクティスを採用することは不適当であると考えておりますし、国はすべての政策を内国民待遇という公正なプラクティスに基礎づけるべきであるとの見解を強く支持しております。内国民待遇は世界貿易システムの基礎であり、WTOの核心をなす原則の一つであります。相互依存の高まる世界市場において、政府がその国民のみ保護することを目指す政策を拒絶することはきわめて重要であります。
日本において現在検討されている輸入に対する保護は、企業が、より発展を遂げた国(more developed countries)におけるポジションにおいて不利益を被ることなく発展途上にある国(less developed countries)における市場の要求を満たす(meet)ことを可能とするため、発展途上にある市場におけるそれら企業のレコードの低価格版を提供する能力を認めるために設計されています。加えて、輸入のコントロールは、海賊版の輸入(introduction)に対する重要なセーフガードであります。我々の経験上、「並行輸入品」の輸入と信じられているものはしばしば海賊版の輸入を仮装するだけのものであり、輸入コントロールの導入は海賊版の世界的な取引の増加に対する重要なセーフガードであります。
輸入をコントロールするための権利の拡張に対する同様の根拠は日本及び外国(たとえば米国)のレコード会社の両方に平等に当てはまるものであり、それゆえに、私たちは、たとえば中国において我々の加盟社が製品が日本又は合衆国に入ることを恐れることなく製品に値付けを可能にする法制度の採用を支持します。同時に、日本において検討されている輸入をコントロールするための権利が合衆国又はEUからの真正商品の輸入に何らかの影響を及ぼすことは、RIAA加盟社の意図するところではないというのが私の理解であります。言い換えれば、貴殿が質問票で提示されたように、輸入をコントロールする権利の導入は合衆国又はEUからのレコードの輸入を含む日本における現行の慣行をどのような形であれ阻害しないだろうということです。
従いまして、貴殿の最初の質問に対する私の回答は、「イエス」であり、我々が
i – レコードの輸入をコントロールするための権利を定める提案を支持すること、及び
ii – 日本政府がかかる権利を内国民待遇の原則の下で採用することを奨励すること
に関する貴殿の理解は正しいものです。
2. 貴殿は、合衆国において製造されたレコードの日本への輸入を引き続き認めるというのが国際5メジャーそれぞれの意思であるか否かについて質問されました。上記質問1に対する私の回答にあるとおり、貴殿の理解は私のそれと全く同一であります。権利の行使、又は非行使は、共同して行うことができませんが、我々はメジャーのそれぞれから合衆国で製造された正規のレコードの日本への輸入を認める意思を聞いております。従いまして、レコードの輸入をコントロールする権利の導入は、日本の正規の企業(legitimate companies in Japan)によるかかる物品の継続的な輸入に何ら影響しないでしょう。
さらにご質問がありましたら、遠慮なく私にご連絡ください。最後に、私としましては、私たちは無許諾の輸入に対する保護を制定することは、日本社会―クリエイティブ産業及び消費者の双方―の利益であると強く信じている、ということを強調しておきたいと思います。ある国の市場に向けられた低価格版が日本市場に入ることを防止することができないことは、企業がそうした市場においてそうした社会の購買力に適したレコードを提供する能力を妨げ、日本社会には何らの利益も及びません。他方で、保護を定めることは、新しいプロダクション及びレコーディングに投入される、保護がなければ得られない利益を生み出し、それによって企業がさらなるクリエイティブ・リスクを取り、日本の公衆が入手可能なオリジナルなレコードの幅を拡大する機会を与えることを可能とすることでしょう。
敬具
Neil Turkewitz
Executive Vice President, International
全米レコード協会(RIAA)
2004.05.20 01:22 PM in レコード輸入権 | 固定リンク
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